2023.09.06

ここの一杯は、コーヒー初心者の私にもやさしかった。

登場人物
阿部
J.オーガニックコーヒー専属焙煎士。
Mさん
長野市在住の20代女性。会社員。コーヒーは初心者。

一息つくために、コーヒーを飲みたいと思った

阿部
Mさんは、普段からよくコーヒーを飲まれるのですか?
Mさん
実は、元々あまり飲むほうではなかったんです。勉強や仕事が忙しいとき、カフェインをとる目的で飲むくらい。
でも社会人になってから、「一息つくためにコーヒーを飲む」時間っていいな、と気づきました。お店にコーヒーを飲みに行くようになったのは、比較的最近のことです。
阿部
一息つくためにコーヒーを飲む。素敵な時間の過ごし方ですね。
たしかに自分も、頑張らなきゃいけないとき、栄養ドリンクのように飲んでいた時期があります。でもあるとき、「おいしく、味わって飲みたいな」と思う瞬間があったんです。いろんな付き合い方ができるのが、コーヒーのいいところですね。
Mさん
本当です。大人になってから、新しい楽しみ方に気づきました。
阿部
味の好みなどはありますか?
Mさん
味を語れるほど玄人ではないのですが…紅茶に近いような、ライトな口当たりの浅煎りが好きです。
阿部
いいですね。僕も浅煎りが好きです。
Mさん
個人的には浅煎りのほうが飲みやすいと感じるのですが、やはり、初心者には浅煎りのほうがおすすめなんでしょうか?
阿部
そうですね、その人の好みにもよるのですが…実は、最初から好きな味がある方は少なくて。逆に、苦手な味のほうがわかる方が多いように感じます。
とくに、コーヒーを普段飲まない方だと、酸味が苦手な方という方が多いです。でも嫌われる酸味は、コーヒー本来の酸味ではないと思っています。嫌な感じの酸味は、長時間置いてしまった結果生じたものなんですよ。本当の酸味は、もっと、さわやかでフルーツのような風味があるんです。
Mさん
それは知らなかったです…じゃあ、本当の「おいしい酸味」を知らないまま、コーヒーを嫌いだと思っている方も多いかもしれませんね。
阿部
そう、だから僕は酸味が苦手という方にこそ、浅煎りを飲んでほしいと思っています。フルーティーな香りの浅煎りは、よくおすすめしますね。コーヒーの好みを伝えてくださったほうが、こちらもおすすめしやすいので、遠慮せず気軽に聞いてほしいです。
Mさん
焙煎士さんとお話しながらコーヒーを選べるの、すごくいいなあと思うんです。
「新しいお気に入り」に出会ってみたくても、どうやって探せばいいかわからなくて…。普段深煎りはあまり飲まないのですが、もしかしたら深煎りの中に自分の好きな味があるかもしれないとも思うんです。そんなとき、おすすめを教えてもらえたらうれしい。
阿部
浅煎りにも深煎りにも、それぞれのよさがありますからね。

昔は、コーヒーといえば深煎りだったんです。でも今は、浅煎りで個性を楽しみたい、という方も多くて。それぞれの個性を楽しめる時代になってきたと思います。だからこそ、 手軽にいろいろな味に触れる機会を、たくさん設けたいですね。
Mさん
それ嬉しいです!コーヒーと出会う機会が少ないと、一度飲んで「イマイチだな」と思ったら、ずっと苦手なままになってしまうので…。たくさんお試しできれば、新しいお気に入りとも出会えそうです。

そういえば私、焙煎所に対して、コーヒー玄人が行くイメージを持っていました。なんとなく格式高くて、「コーヒーに詳しくない私が、入っていいのかな」と思ってしまって。だから、J. オーガニックコーヒーの、初心者にも開かれている感じはとても安心します。
阿部
たしかに、コーヒーは玄人向けだと思われがちかもしれません。でも、本当はもっと気軽なものでいいと思います。誰にでも開かれていてほしいし、たくさんの人に楽しんでほしい。 だからコーヒーのことを話すときは、「絶対こうすべき」とは言わないようにしています。自分の好みに合わせて、おいしく飲めるのが一番だと思うんです。

淹れ方にもいろいろあります。たとえばうちでは、濃い目に淹れたあと、お湯で薄めたり。最初に出てくるおいしいところだけ抽出して、あとはお湯で調整する、というやり方があります。でも、あとから来る雑味ありでおいしい、という考え方もあります。
家で飲む時も、お湯の量で味の濃さを変えられるんですよ。軽めがよければお湯を足す、とか。難しいテクニックだけじゃなくて、簡単に、好みの味にできるんです。
Mさん
それも知らなかった…家だといつも、なんとなく感覚で淹れてしまっていました…今まで、おいしい一杯をたくさん逃していたかもしれません。
こういうことを焙煎士さんから教えてもらえるの、ありがたいです。もっと自分好みに楽しめそう。

コーヒーには「オーガニック」のイメージがなかった

阿部
Mさんが最初にJ. オーガニックコーヒーを知ったきっかけは何だったのでしょうか?
Mさん
私、元々サンチのファンなんです。サンドイッチを食べにいったとき、「オーガニックブレンドコーヒー」という文字が気になって。飲んでみたら、とても飲みやすくておいしくて。
阿部
そう言っていただけてうれしいです。 サンチはサンチ用のブレンドをつくっているんですよ。
ちなみに「オーガニック」と聞いて、どんな印象を持ちましたか?
Mさん
コーヒーって、そういえばオーガニックのイメージがないなと思いました。オーガニック野菜とか、オーガニックティーとかはよく聞くのですが。だから、最初はピンと来なかったです。ちょっと気になるから飲んでみようかな、という感じでした。
阿部
そうですよね。オーガニックコーヒーって、まだあまり知られていないんです。実は僕もここに来るまで、コーヒーを「オーガニックだから」という理由で選んだことはあまりありませんでした。でも今は、魅力をもっと多くの人に伝えていきたいと思うようになりました。

化学肥料、農薬を使っていない豆は、苦労して農家さんがつくってくれているもの。普通の豆より、管理にも手間がかかるんです。そういう意味で、コーヒー豆のなかでは不遇な部分もあるのですが、その分価値があるものだと思っています。
Mさん
そうですよね。オーガニックコーヒーのことを知れば知るほど、愛着が湧いてきます。「一杯飲むことで、環境保護に貢献できる」というのもいいなと思います。この一杯が、小さなやさしさにつながっていると感じられて。
阿部
そうなんですよ、コーヒーは生活に身近なものなので、身体にも、環境にもやさしい選択肢を取ってもらえたらいいなと思いますね。
Mさん
いろいろな味があるのもうれしいです。今はもうないんですが、フラワリーベリーという味が好きでした。
阿部
うれしいです。味の幅広さも、うちの特徴なんです。 気分や好みによって選べるように、今もブレンドの開発をすすめています。 季節によって味が変わるライチョウブレンドなんかは、「冬のライチョウいなくなっちゃったの?」と言ってくださるファンの方もいます。
Mさん
私、まだ飲んだことがないんです!味はどんなふうに変わっていくんですか?
阿部
春は、ちょっと外に出てピクニックに行こう、というときにぴったりな、すっきりとした味わいです。夏はアイスコーヒーに合う深煎りですね。秋は、ライチョウブレンドがスタートした時期だったので、誰でも飲みやすい味。冬は、身体があたたまるような深煎りにしてあります。
Mさん
いいですね。季節ごとに追いかけたくなります。

コーヒーは、もっと自由でいい

阿部
Mさんは、どんなときにコーヒーを飲みますか?
Mさん
今は、息抜きするときが多いです。甘いおやつと一緒に食べるのが好きです。甘いケーキとか。自分だけのためにケーキ買って、コーヒー淹れて…。
阿部
いいですね、ケーキ食べたくなってきました…(笑) 。
シーンによって、飲みたいコーヒーは変わりますか?
Mさん
変わります。朝と夜とでは、求めるコーヒーが違う気がします。
阿部
僕もです。個人的には、何かをしながら飲む時は深煎りで、コーヒーに集中したいときは浅煎りを選びます。
Mさん
え!どうしてですか?
阿部
浅煎りって、酸味で個性が出るんですよ。その味をしっかり味わうために、スマホをいじらず、無言で、じっくりコーヒーと向き合うんです。
Mさん
すごい…!
阿部
でも、それだけだと疲れてしまうので(笑)、気軽な気持ちで飲みたいときは深煎りを選びます。シーンによって自由に味を選べるのも、コーヒーのいいところだと思います。

コーヒーが世の中に広がったことで、一部のコーヒー好きのものだけじゃなくなってきているのだと思います。飲むコーヒーも時間も自由に選べるようになったのは、焙煎士としてもうれしいことです。
Mさん
本当に、味わい方は自由なんですね。
それでいうと、J.オーガニックコーヒーは、ゆっくりできるときに飲みたいかも。このコーヒーを飲んでいるときは、せかせかしたくないというか…自分にやさしくしたい。
阿部
そう言っていただけてうれしいです!
Mさん
個人的には、カフェインレスがあるのもありがたいです。 夜カフェインを飲むと、目が冴えてしまうので。
阿部
よかったです。うちのカフェインレス、おいしいんですよ。カフェインレスだからといって、おいしさの妥協はしたくないと思っています。
Mさん
たしかに最初、普通のコーヒーに比べると、味は落ちるのかなというイメージがありました。
阿部
やっぱり味は大切です。体質的に、カフェインを摂れない方もいらっしゃると思うので、そういう方々にも、おいしくコーヒーを楽しんでほしい。 先日も、安曇野からカフェインレスのオーガニックコーヒーを買いに来てくださった方がいました。
Mさん
安曇野から!
阿部
そういった方に知ってもらえるのは、とてもうれしいですね。
今後は、カフェインレスにも選択肢が増えればいいなと思います。今は、一種類だけなので。カフェインレスのなかでも、そのときの気分や好みに合わせて、選んでいただけるようにできたらいいなと。同じ豆でも、焙煎の仕方によって味は変わるので。これからいろいろ研究したいと思います。
Mさん
楽しみです!

この一杯から、やさしさが広がっていく

阿部
最後に、J. オーガニックコーヒーの好きなところを聞いてもいいですか?
Mさん
「やさしい」ところにフォーカスしているところがすごく好きです。おいしさをうたったコーヒーはあっても、「やさしい」をうたったコーヒーと出会ったことがなかったから。一杯を飲むことで、自然にも優しくなれる。身体にもやさしくできる。そんなやさしいコーヒーだから、誰かに勧めたくなる。こんなふうに、一杯を起点に「やさしさ」が連鎖していくことが、素敵だなと思います。
阿部
どなたに一番勧めたいですか?
Mさん
あえて、コーヒー好きな友人に勧めたいですね。彼女は毎日何杯もコーヒーを飲むのですが、毎日飲むものだからこそ、おいしくて、身体にいいものを飲んでほしいなって。コーヒーが好きだからこそ、「やさしいコーヒー」という選択肢を知ってもらえたらうれしいなと思います。
阿部
Mさん、今日はありがとうございました!またいつでもいらしてください。
Mさん
はい!今度は夏のライチョウブレンドを飲みに来ます。